粗忽長屋で蒟蒻問答

無駄な方便、無用の用、脳味噌を棚卸する、そんな雑草咄しと落語と書見

表か裏か

近所に美味いナポリタンを食わせる喫茶店がある。 たまにふと思い出しては無性に食いたくなる味で、先日、ぽかりと空いた時間ができたので、舌先に誘われるまま、ふらりと立ち寄ってみた。 最近は若者のあいだで昭和レトロ風というものが流行っているそうだ…

【落語】蒟蒻問答/餅屋問答

落語のなかでも、よく知られた演題であるこのお噺し。江戸寄席で「こんにゃく問答」、上方落語では「もち屋問答」と呼ばれ、噺家のなかでも客ウケが良いとされる、華やかな名作といわれています。 登場する人物たちもみな個性的で、噺のスジもよく練られてお…

【落語】粗忽長屋

この噺、大袈裟なもの云いになるかもしれませんが、落語的発想の粋を集約したような超現実的なおはなしとなります。 しかも「ボケ」の究極形といえるかもしれない一言が飛び出す、瞠目すべき展開と落ち(サゲ)。 落語の世界の扉を開ける最初の一話としても…

ハンドル捌き

休日の昼下がり。 とくにやることもなし、居間でトドのようにゴロゴロしていたところ、なにやらカミさんの癇に障ったのか、叩き起こされて、どこかに出かけてこいと言われる。 と言われても、行きたいところもなし、どうしようかなと逡巡しつつも、そういえ…

歯の浮く連帯

男同士の奇妙な連帯感というものは、ときに唐突にやってくるものである。 その日も偶然だった。 若かりし時分、およそ20年前の話になるが、以前に働いていた勤務先での出来事である。 その日、少々、気の重くなる、憂鬱な仕事をまわされたのだが、それは自…

煽がれる

昨日、困ったことに"気づいた"ので、ここに筆をとることにする。ウチは、カミさんとの共通の趣味というのが銭湯に行くことで、月に2、3回、近隣の施設におもむいている。ときには遠出して、温泉につかりに行くこともあるが、ふだんはまあ、市内と隣市、…

一輪咲き

少々、残念なことがあったので、ここにしるしておきたい。 今年の夏も終わりにさしかかっている。 この夏の終わりの、なんともいえない物哀しい風情というものが、いったいどこからくるのだろうと、ふと疑問に思うものである。 年初から徐々に気温が昇ってい…

片寄

とりとめもない話をしたい。 ほんとうにとりとめもないことなので、ここに書くのもどうかと躊躇ったが、最近、なにかというとチラチラとあたまをよぎることなので、書いて排泄したくなった。 夏の暑い日が続いている。 温暖化の影響とか異常気象とか言われて…

尾を曳く

だいぶ以前に自分のなかで確定事項になったことが尾をひいて、状況が変わった今になっても、わかっちゃいるが、その姿勢や態度というものをなかなかにくずせない、ということが、誰しも、ひとつやふたつ、あるかと思われる。 先日、呑み屋でそんな話をしてい…